新卒社員の早期離職は、多くの企業が直面している深刻な課題です。採用や育成に多大な時間とコストをかけたにもかかわらず、入社からわずか数年で辞めてしまうケースも少なくありません。実際、厚生労働省の調査によれば、新卒社員の約3割が入社後3年以内に離職しているというデータもあります。
本記事では、新卒離職率の基礎知識から、主な退職理由、離職率が高いことによる企業への影響、そして定着率を高めるための具体的な対策までをわかりやすく解説します。さらに、新卒の定着支援につながる社員寮サービス「Hueplus」もご紹介します。
「せっかく採用した新卒社員がすぐに辞めてしまう…」とお悩みの採用担当者・経営者の方は、ぜひ本記事を参考に、自社の離職防止・定着施策にお役立てください。
目次
新卒離職率とは？
新卒離職率とは、新卒で入社した社員が一定期間内に会社を退職する割合を示す指標です。一般的には、入社後3年以内の離職率が重視されます。
厚生労働省の調査（令和3年3月卒業者）によると、大卒の新卒社員のうち約32.3%が3年以内に離職しています。特に中小企業ではこの割合がさらに高まる傾向にあり、採用や教育にかけたコストを回収できないまま退職されてしまうケースも少なくありません。
そのため、新卒の定着率を高める取り組みは、多くの企業にとって喫緊の課題といえるでしょう。
厚生労働省：新規学卒就職者の離職状況(令和３年３月卒業者)を公表します
新卒が退職する際の主な理由
給与に関する問題
新卒社員が退職を検討する理由の一つに「給与面の不満」があります。就職活動時には給与水準よりも業界や仕事内容を重視していたとしても、実際に働き始めて生活の現実を知ると、「給与が見合っていない」と感じることがあります。
また、昇給制度が不透明だったり、成果に応じた報酬が得られないと、モチベーションの低下につながり、離職に直結することがあります。
人間関係に関する問題
新卒社員にとって、職場の人間関係は非常に大きな影響を及ぼす要素です。職場で孤立していたり、上司や先輩との関係にストレスを感じたりすると、「ここには自分の居場所がない」と感じてしまい、早期離職のリスクが高まります。
こうした問題に対して有効なのが、「Hueplus」のような社員寮の活用です。同年代の社員が共同生活を送ることで連帯感や深い信頼関係が構築され、モチベーションの維持や心理的安全性が高まるため、結果として離職率の低下につながります。
仕事内容に関する問題
「思っていた仕事と違った」「業務内容が想像以上にハードだった」といった業務内容に対するミスマッチも、新卒退職の大きな要因です。
特に社会人経験のない新卒社員は、業務のイメージが曖昧なまま入社することも多く、現場に配属されてから「ギャップ」に直面するケースが多く見られます。
これを防ぐには、採用段階での職務内容の正確な情報提供と、実務に近い業務体験の機会を提供することが有効です。
新卒の離職率が高い場合に想定されるデメリット
費用面の負担が増える
新卒社員の採用には、求人広告費や説明会運営費、人事の工数など、多大なコストがかかっています。また、入社後の研修やOJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）も含めると、一人あたりの採用・育成コストは数十万円〜百万円を超える場合もあります。
それだけの投資をしたにもかかわらず、短期間で退職されてしまえば、企業側にとっては大きな損失となります。
企業イメージに悪影響を与える
離職率が高い企業は、学生や求職者から「働きにくい職場」と見なされるリスクがあります。近年は口コミサイトやSNSを通じて情報が拡散しやすく、企業イメージの低下にもつながります。
また、離職者の増加は、残された社員の士気低下やチームワークの乱れを引き起こす要因にもなります。
育成者の負担が大きくなる
新卒社員の早期離職は、指導にあたった先輩社員や上司への負担も大きくなります。時間と労力をかけて育てたにもかかわらず、成果を出す前に退職者が続くと、教育担当者のモチベーションも下がりやすくなります。
こうした悪循環を断ち切るには、新人を定着させるための環境整備と仕組みづくりが求められます。
【採用前】新卒の離職率を下げ、定着率を上げる方法
面接や会社説明会で仕事の厳しい面も伝える
新卒離職を防ぐためには、「会社の良い面」だけでなく、「大変な面」もきちんと伝えることが重要です。
実際、早期離職の多くは「思っていた職場と違った」というミスマッチによって生じています。あらかじめ厳しい面を正直に伝えておくことで、リアルな業務イメージを持った上で入社するため、入社後のギャップが減り、結果的に定着率の向上が期待できます。
座談会などで仕事のイメージをはっきりさせる
現場社員との座談会や職場見学を通じて、具体的な業務内容や職場の雰囲気を体感させることも有効です。
「現場の生の声」を聞くことで、新卒社員は自分が働く姿を具体的に想像しやすくなり、納得感を持って入社を決めることができます。また、先輩社員のリアルな体験談やキャリアパスの紹介も、安心感を与える材料となります。
【採用後】新卒の離職率を下げ、定着率を上げる方法
社内コミュニケーションの活性化を図る
社員の定着率が低い企業では、社内のコミュニケーション不足がしばしば見られます。部署間の連携が取れていなかったり、上司と部下の対話が形式的であったりすると、社員は孤独感や疎外感を抱きやすくなります。
このような環境では、問題が表面化する前に退職という選択が取られるケースも少なくありません。
労働環境の改善を図る
働きやすい環境は、新卒社員の定着を促すうえで欠かせません。過重労働や長時間残業が常態化している職場では、どれほど給与や福利厚生が整っていても、若手社員は定着しにくいものです。
具体的な改善施策：
- 残業時間の管理・抑制
- 適切な休憩時間の取得
- 有給取得の促進
- 柔軟な勤務制度
- 通勤時間の削減（なるべく自宅から近い支店への配属など）
こうした制度を整えることで、新卒社員は安心して長く働くことができる職場だと感じ、離職率の低下につながります。
企業文化・理念の浸透を図る
企業の理念や価値観がしっかりと共有されている職場では、社員が「自分はこの会社の一員である」という帰属意識を持ちやすくなります。特に若手社員は、仕事の意義や自分の役割に納得できることで、モチベーションが高まり、長期的な定着につながります。
新卒向けの研修や定期的なワークショップを通じて、企業理念を繰り返し伝える機会を設けることが効果的です。
新卒の定着率を上げる社員寮「Hueplus」
新卒社員の定着率を高める施策として、注目されているのが社員寮の導入や改善です。中でも「Hueplus」は、若手社員が安心して暮らせる住環境と、自然なコミュニケーションが生まれる仕組みを兼ね備え社員個々の成長を支援する、新しい形の社員寮建設事業です。
Hueplusの特徴：
- 同年代の社員と共同生活を送ることで、自然と連帯感が生まれ、職場外でも相談できる関係性が構築される
- プライバシーと交流スペースの両立により、ストレスを抑えながら安心して生活できる
- 地方出身者の「住まい探しの不安」や「孤独感」の解消にも効果的
社員寮が単なる「住む場所」ではなく、人間関係を育み、心理的安全性を確保する空間になることで、新卒社員それぞれが社会人として成長する機会を得、前向きに仕事に取り組める土壌が育ちます。
採用・定着に課題を感じている企業様にとって、「Hueplus」は非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
