社員教育は、企業にとって欠かせない投資のひとつです。しかし、外部研修や講師費用などが積み重なれば、教育コストは大きな負担となります。
「コストを抑えたいが、教育の質は落としたくない」そんな課題を解決するための工夫をご紹介します。
目次
社員教育にかかるコストの実態

研修費用・外部講師費用
企業研修にかかる費用は、会場代、教材代、外部講師の謝礼など多岐にわたります。加えて、社員が研修を受けている間は生産性が一時的に低下するため「機会損失コスト」も発生します。
教育投資と定着率の関係
一方で、教育を削りすぎると「成長できない会社」と捉えられ、離職リスクが高まります。実際、パーソル総合研究所の調査では「成長の機会がある」と感じる社員は、そうでない社員に比べて定着率が高い傾向にあると報告されています。
教育コストの算出方法
経営層に教育投資を理解してもらうには「教育ROI(投資対効果)」を示すのが効果的です。
算出式の一例:ROI(%)=(教育による成果額 − 教育コスト) ÷ 教育コスト × 100
成果額には「離職抑制による採用・研修コスト削減」「生産性向上による利益増加」を含めます。数字で示せば、教育の必要性を納得してもらいやすくなります。
教育コストを抑える方法
オンライン研修・eラーニングの活用
- 共通基礎はオンライン:ビジネスマナーやITリテラシーなど全員に必要な基礎知識はeラーニング化。
- 短時間コンテンツで効率化:5〜10分のマイクロラーニングなら、業務の合間にも学習が可能。
- 学習履歴の可視化:LMSを使えば、受講状況や理解度をデータで管理できます。
社内講師・メンター制度の導入
社内の経験豊富な社員を講師役として活用する方法も有効です。実務に即した教育ができる上、外部講師費用を削減できます。メンター制度を導入すれば、教育とフォローを兼ねて離職防止にもつながります。
小規模企業における教育コスト最適化
大企業のように大規模研修を行えない場合でも、以下の工夫が可能です。
- OJTを動画にしてアーカイブ化(繰り返し利用可能)
- 講師役をローテーション制にし、社員全体で教育を支える
- 外部研修は必要な部分だけピンポイントで受講
コストを抑えながら効果を出すには「使い回せる仕組みづくり」が重要です。
コスト削減と定着率向上を両立する工夫
OJTとOff-JTの最適なバランスを検討
現場での指導(OJT)はコストが抑えやすい一方、体系的な知識習得には限界があります。そこで、OJTと研修(Off-JT)を組み合わせることで効率的な教育が可能となります。たとえば「基礎はオンライン研修」「実務はOJT」「振り返りは短期集合研修」といった設計です。
スモールステップで成長実感を与える
一度に大量の知識を詰め込むのではなく、小さな学習ゴールを設定し、段階的にスキルアップさせることで「できるようになった」という実感が得やすくなります。この“成長実感”こそ、定着率を高める最大の要因です。
教育を“コスト”から“投資”へ
教育を経費と捉えるのではなく、人材資本への投資と位置付ける考え方が広がっています。人的資本経営の観点からも「社員が成長できる環境を整えること」が企業価値向上につながるとされています。
コストを抑えつつ社員が成長・定着する教育設計が重要
教育コストを抑えるポイントは「効率化」と「成長実感の両立」です。オンライン研修や社内講師制度を取り入れつつ、OJTとOff-JTをバランスよく組み合わせることで、コスト削減と定着率向上の両方を実現できます。社員が「ここで成長できる」と感じられる環境こそ、最大の投資対効果を生む教育制度といえるでしょう。
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